スーパースワンのユニット交換


 2001年12月末日、スーパースワンのスピーカー(以下SP)ユニット交換をしました。
スーパースワンは、長岡鉄男氏設計の自作SPで、SPユニットはFOSTEX(フォステクス)の限定販売品。12月4日からユニットのFE-108ES2が限定発売されると聞き、飛びつきました。この限定販売は2001年の2回目で、1回目は情報を聞き漏らしました。(^_^ゞ

○長岡鉄男氏設計 スーパースワン



SPユニットは10cmフルレンジ一発で、中高音は主に前面から放射され、低音はSPユニット裏側から下の首の部分を下って、胴の部分へ入り、胴の内部で何度も上下に折り返されて、胴の背面下部から放出されます。

こういう型式を「バックロードホーン」(BH)と言うのですが、長岡鉄男氏は長年「音が悪い」とされてきたBHに独自の設計を取り入れ(本人談では「設計が悪いから音が悪い」との事)、高音質SPにしています。

なぜこんなややこしい事をして低音を(BH)で出すかと言うと、低音、中音、高音、専用のSPユニットをずらりと並べるよりは、ユニット一発(場合によっては+トゥイーター)の方が音がいいからなんですね。
(書き始めるとキリがないので、詳細省略)

今回は上の「←」で指した部分のSPユニットを交換。
写真の旧ユニットはもう7〜8年は使っていて、『新しいのが欲しいなぁ〜』と、思っていたところだったんです。

私のスーパースワン、組み立てに釘を一本たりとも使っていないんです。全部木工用ボンドで接着しただけ。釘は使わない方がいいようですよ。組み立てに時間がかかりますけどね。








○現行ユニット取り外し

現行ユニットは、6N−FE108S。
6Nは、銅純度99.9999%の銅線使用という意味。

SPユニットへのリード線は半田付け。
反対側はSPターミナルへ。

ターミナル付けした穴は、木工用ボンドで穴埋め


で、赤い2つの印は何かと言うと・・・











○買ってから分かった仕様変更(T-T)

SPコードを取り付ける位置、Sではユニット下から2本なんですが、ES2はサイドから1本ずつで、そのままでは取り付けられない・・・(T-T)

で、上の写真の赤い部分、コードを通すために削らなければならなくなってしまいました。(面倒くさい・・・)










○ユニット比較(左:ES2、右:6N−S)

○ついでに(左:ES2、右:ただのS)
見た目は同じですが。

 デカイですね、ES2のマグネット。新素材マグネットでそれがダブルですから、駆動力は相当強力そう。6N−SとSは何の変哲もないコーンですが、ES2は分割共振を抑えるリブ、高音域のコントロールをしていると思われる、センターキャップになっています。
また、エッジは割と複雑な形状のタンジェンシャルエッジで、これも分割共振対策でしょう。見ての通り、SPコードの取り付け位置が違います・・・。




○ザグリました

下のくぼみがS、6N−SのSPコード取り付け位置。

左右ちょっと斜めに削れているところが
ES2のSPコード取り付け位置。

FOSTEXの指定よりも必要最小限に小さく加工。(あんまり意味無いけど)

内部の下に「音道」が見えます。





○これで削りました

本体を作ったときに使ったヤスリ。
写真に写っている方は目の粗い方。
細かい方でも常識から見るとすごく粗いです。

よー削れる・・・。

































☆取り付け前、取り付け後

見た目はかなりリフレッシュ。
ネジ穴がES2は4個余っていますが、ヘッドにあまり穴を開けたくないので、ネジ4本で取り付け。まぁ、とくに問題はないでしょう。



○早速試聴

第一声()はとにかくひどい音。
中域に妙なクセがあり、低音がボンついて、高音が神経質。
『こりゃ、まずったか』と思いましたが、最初からいい音が出るワケはないので、ボチボチと箱
(エンクロージャー)に慣れていくでしょう。

1時間ほど鳴らしたところでは、中低域の張りと中域の解像度の高さはなかなかのもの。ボイスコイルやエッジの慣らしが終わると、音の角は取れると踏んでいます。
中低域のクセと低域のボンつき、これが一番心配・・・。

それにしても、スーパースワンはすごいスピーカーです。



○一週間後、本格テスト

鳴らし始めはそれはもうひどい音だったんですが、だんだんユニットがこなれて、箱(エンクロージャー)に馴染んできたようです。そこで本格テスト。

○☆試聴ディスク

LaSpagna BIS-163
FUUIN-FueImprovisation(風韻−笛 即興演奏) CBS/SONY 32DG49
輪廻交響楽/芸能山城組 ビクター VDR-1200
IMPACT 日本オーディオ協会 GES-9080

LaSpagnaは、試聴ディスクの定番なんですが、ES2ではより音像定位が明快になって、ギターの一弦一弦や、タンバリンの鈴が見えてくるよう。

一番驚いたのが風韻。
これまではバスマリンバの音像が膨らみ、多重録音部分で音が濁っていたものが、きれいに分離分解され、音像も締まって音程明確。(部屋のそこかしこからビビリ音が・・・)
途中で入ってくる篠笛は、息を吹き込む場所がまるで見えるかのようなリアルさ。
どう聴いても目前で演奏しているとしか思えない!
三十弦箏もリアルで、低音部のアタックは音の塊が飛んでくる感じ。能管の音の鋭さはこれまでに聴けなかったもの。このディスクの本当の良さが初めて発揮されたような気がしますね。

芸能山城組の場合は、やはり中高域の定位の明快さと、低音の締まりが印象的。
「ボワン」としたところが無く、余分な音が出ていない感じですね。人間の声の移動もリアルすぎて気持ちが悪い。「さらばたけんうだぎゃでぃ・・・」ああ、気持ち悪ぅ。

IMPACTには色々な音が録音されていて、ガラス粉砕音は高音のトランジェントチェック、雷鳴は空間表現、全域のトランジェント。自動車のエンジン音も入っています。こういうパルシブなソースにも余裕で対応できているのか、音像は引き締まって明快、本当にリアルな音です。


FE−108ES2、交換は大成功だったようですね。v(^-^)
これまでのユニットだと、箱内部の抵抗にユニットが負けて、特定の周波数で(主に低音)共鳴が大きくなることがありましたが、ES2ではかなり抑えられています。
まだ鳴らし込みが足りないので、中高音域にキャラクターを感じますが、いずれそれも解消されていくことでしょう。


(2001.12)

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